下肢静脈瘤の一番の特徴はボコボコと隆起した血管です。その他にも、むくみや皮膚炎など、進行すると様々な見た目の変化が起こっていきます。
当院では、下肢静脈瘤の手術前・術後に写真撮影と記録を行っています。
手術前後の写真を見比べると、治療によってどの部位が改善したのかがわかります。
こちらのページでは、当院で実際にご手術を受けられた方の症例写真の一部をご紹介していきます。
ご覧になる皆様へ
手術後の経過は患者様ひとりひとり異なります。
血管の走行、発症してから治療までの期間、普段の生活習慣、病歴、体質など…。病気に至るまでには患者様それぞれの背景があります。
そのため、同じ手術を受けても同様の経過になるとは限りません。これからご紹介する症例写真はあくまで参考にしていただくにとどめ、手術の効果をお約束するものではないことを強くご承知の上ご覧いただければ幸いです。
(掲載順および手術時期は不同)
用語解説
大伏在静脈…脚の内側を走る表在静脈。脚の付け根部分で深部静脈から分岐し、太もも~内くるぶしまで通っています。
小伏在静脈・・・膝裏~ふくらはぎを走る表在静脈。膝裏の深部静脈からふくらはぎ~外くるぶしまで通っています。
左下肢静脈瘤 高周波治療(70代女性)
70代の女性の方です。
当院へ受診される5~6年前から左ふくらはぎにボコボコした血管が目立ち始めたそうです。足首にかゆみも出始めているとのことでした。
超音波検査の結果、左の大伏在静脈不全でした。ふくらはぎのボコボコ血管は大伏在静脈からつながった枝静脈でした。
メインの大伏在静脈は高周波治療、枝のボコボコ血管は2か所の切開で瘤切除術を行いました。手術時間は24分でした。
術後は左内ももが腫れた感じで痛い時期があったとのこと。焼灼した大伏在静脈の部分の痛みと思われ、時間経過で痛みは消失していったようです。
目立っていた瘤は手術で取り切れましたので、術後1週間目の診察時には無くなっています。
二か月経つと傷も目立たなくなってきていますね。
〈当日の手術費用〉健康保険適用・自己負担1割で、お支払額は15,680円でした。
左下肢静脈瘤 レーザー治療(50代女性)
50代の女性の方です。左膝裏の大きな瘤が目立つとのことでした。
超音波検査の結果、深部静脈からつながる枝静脈の不全で、深いところからぐるりと回って皮膚側に張り出してきていました。
カテーテル治療のとても良い適応で、メインの部分はレーザー治療を行い、目立つ瘤は3か所切開して瘤切除しました。手術時間は31分でした。
術後1週間目にいらっしゃったときは、痛みは無かったようですが絆創膏かぶれを起こしてしまったとのことでした。瘤切除周りに内出血もありました。
術後2か月経過すると、傷も目立たなくなり、瘤もすっかり目立たなくなったとおっしゃっていました。
〈当日の手術費用〉健康保険適用・自己負担3割で、お支払額は45,890円でした。
左下肢静脈瘤 レーザー治療(30代女性)
30代の女性の方です。
普段は一日中立ちっぱなしのお仕事をされているとのこと。膝裏の目立つ血管以外にも、脚のつりやむくみもあるようでした。
超音波検査の結果、左大伏在静脈不全とそこからつながった枝静脈がボコボコと表在に張り出してきていました。
メインの左大伏在静脈はレーザー治療でしっかり逆流を止め、膝裏の目立つ瘤はかなり太く広範囲でしたので、8カ所瘤切除を行いました。手術時間は61分でした。
瘤切除の数が多かったので術後1週間目にいらっしゃった時も広範囲の内出血がありました。痛みもあったようですが、少しずつ改善してきたとおっしゃっていました。
2か月経過するころには内出血も消え、瘤切除の傷も目立たなくなってきました。
綺麗になったと喜んでいただけて、とても良かったです。
〈当日の手術費用〉健康保険適用・自己負担3割で、お支払額は45,890円でした。
瘤切除の数が多かったために手術時間も通常より長くかかっていますが、手術方法・麻酔方法は通常と変わらず、眠っている間の手術です。
また、「たくさん瘤を切除する場合は費用も追加になるのでは?」と心配される方も多いのですが、手術代はメインの手術料のみ算定する決まりになっているので、実は瘤切除をしなくてもたくさん瘤切除したとしても手術の代金は変わらないのです。(先生はちょっと大変ですけどネ)
右下肢静脈瘤 高周波治療(30代男性)
30代の男性の方です。
調理のお仕事をされており、一日の半分以上立ちっぱなしとのこと。
超音波検査では、右の大伏在静脈不全でした。膝横の瘤は大伏在静脈からつながった枝静脈でした。
大伏在静脈は高周波治療でしっかり焼灼し、目立つ瘤は2か所瘤切除しました。手術時間は24分でした。
お仕事が大変忙しく術後もお休みが取れないとのことでしたので、立ち仕事の間もいつも以上に足を良く動かすよう事前にお話ししていました。
術後は痛みもそれほど強くなかったようで、翌日からお仕事できたそうです。
手術後は瘤も目立たなくなり、2か月目には気になる症状もないとおっしゃっていました。
当院では術後の弾性ストッキングによる圧迫期間は1週間とお伝えしていますが、この方は長時間の立ち仕事なので可能な限り弾性ストッキングは継続することをおすすめしました。
〈当日の手術費用〉健康保険適用・自己負担3割で、お支払額は45,680円でした。
下肢静脈瘤は立ち仕事の方が悪化しやすいので、調理師さんや警備、販売のお仕事の方など長時間立ちっぱなしのお仕事の患者様はたくさんいらっしゃいます。
術後の痛みは多少ありますがひどく痛むことは少ないので、痛みがつらくなければ翌日からお仕事に復帰していただいて構いません!
ただし術後は「じっとしない」がお約束。
立ち仕事の場合も、その場で足踏みをしたりぐるぐる歩き回ったりなど、なるべくじっと立ったままの状態でいないようにしましょう♪
当院監修のマンガ『漫画でわかる!下肢静脈瘤の日帰り手術』で初診~手術~術後までの流れをご紹介しています♪
「わかりやすかった!」と患者さんからご好評いただいている漫画なので、よろしければ読んでみてくださいね👋
https://www.shinjuku-geka.com/kashi/manga
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