鼠径ヘルニア
鼠径ヘルニアとは
太ももの付け根のVラインにあたる部分を鼠径(そけい)部と呼びます。
鼠径ヘルニアは、「脱腸(だっちょう)」とも言い、鼠径部がぽこっと丸く膨らむ病気です。鼠径部の筋膜が緩んで穴が空き、小腸などの内臓が腹膜と一緒に出てきてしまうことで膨らみます。
決して珍しい病気ではなく、日本でも年間13万人ほどの人が手術を受けられています。(厚生労働省第7回NDBオープンデータより)
男女比でいうと男性の方が多い病気ですが、当院は女性の患者さまも多くいらっしゃいます。
鼠径ヘルニアの原因
子供の鼠径ヘルニアの場合は生まれつきですが、大人の場合は“鼠径部の筋膜が弱くなりやすい体質”によるものと考えています。
鼠径ヘルニアの穴部分はもともと身体の器官の通り道なので緩みやすい部分です。
体質に加え、生活習慣や加齢・肥満などの後天的な要因により、筋肉周囲の組織が弱くなることで発症に至ると考えられています。
鼠径へルニアの症状
一番わかりやすい症状は鼠径部が膨らむことです。
痛みがないことが多いですが、人によっては痛みや違和感を感じることもあります。
鼠径ヘルニアの膨らみは出たり引っ込んだりするのが大きな特徴です。立っている時や座っている時など、起き上がった状態の時やおなかに力を入れた時に膨らみますが横になると引っ込みます。横になって膨らみが引っ込むようであれば、まず鼠径ヘルニアに間違いありません。
鼠径ヘルニアは基本的には命に関わることが少ない良性疾患ですが、一番の心配は「嵌頓(かんとん)状態」になる可能性があるということです。嵌頓は鼠径ヘルニアの膨らみが出っ張ったまま戻らなくなってしまうことで、非常に強く痛みます。そのまま放置すると膨らみの中で腸などが締まり壊死してしまう危険性があります。
そのため、嵌頓になってしまうと一刻も早い手術が必要になります。嵌頓した鼠径ヘルニアの手術は深い全身麻酔を必要とするため、日帰りでは難しく入院手術となります。
鼠径へルニアの診断方法
鼠径ヘルニアは見てわかりやすい病気です。診察では立った姿勢と横になった姿勢で腹圧をかけていただき、膨らみの状態を確認しています。
当クリニックでは、診察時の問診・触診に加え、超音波検査で鼠径ヘルニアの分類(外鼠径ヘルニア、内鼠径ヘルニア、大腿ヘルニア)などを確認し、診断します。
この記事の監修者
医療法人社団オリビエ会
新宿外科クリニック
理事長 高島 格
1960年東京都生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業後、病院の外科で20年勤務し様々な手術を経験。
中でも得意としていた日帰り手術をより多くの人に受けてもらいたいと、2007年東京都新宿区に日帰り手術専門の新宿外科クリニックを開業する。
現在は、新宿外科クリニックと埼玉県さいたま市の大宮セントラルクリニックの2院を運営し、累計手術実績は下肢静脈瘤手術で約11000件以上、鼠径ヘルニアは8600件以上に及ぶ。
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