鼠径ヘルニア
治療法・手術のタイミング、日帰り手術の適応
治療法・手術のタイミング
鼠径ヘルニアの治療法は手術のみです。
有効な薬はなく、生活習慣の改善や運動・体操などで一時的に出にくくなる可能性はありますが、手術以外で治療することはできません。
ヘルニアバンド・脱腸帯と呼ばれるサポーターのようなものも市販にはありますが、こういった製品を使用しても治りません。手術までの期間を一時的に凌ぐ目的であれば使用する意味はあります。
ただし、鼠径ヘルニアは嵌頓(かんとん)にならなければ基本的には命にかかわることはない良性疾患ですので、横になった状態や手で押し込めば膨らみが戻るようであれば緊急性は無いでしょう。
しかし、放っておくと膨らみはだんだん大きくなり、出ている時間も長くなっていきます。 すると常に膨らみが気になってしまったり、お腹に力を入れるのが怖くなってしまったりなど、日常生活に影響が出てきます。
鼠径ヘルニアは大きさに限らず膨らみが出ていれば手術適応です。膨らみが大きくなる前に手術をしておく方が創が小さくて済みますし、創が小さければその分術後の痛みも少なくて済みます。
また、嵌頓状態になってしまうと日帰りでは手術が困難ですので、入院での手術になってしまいます。できるだけ早めに手術をするほうが、結果的に身体の負担も入院などによる生活の制限、経済的な負担も無くて済みます。
焦って手術する必要はありませんが、早めに治療するほうがメリットは大きいといえます。
当院の手術方法、日帰り手術の適応とは
新宿外科クリニックでは鼠径部小切開法と腹腔鏡手術の2通りの方法で鼠径ヘルニアの手術を行なっています。
いずれも、手術時間は平均で30分から1時間程度で、どちらの方法も当院では日帰り手術で行っています。鼠径部小切開手術と腹腔鏡手術どちらの術式が適しているかについては直接診察して判断します。
また、当院での手術は日帰り手術が可能な方のみが対象です。
健康状態に大きな問題がなく、初めての鼠径ヘルニアであればほとんどの方が日帰り手術の適応ですが、中には入院での手術が必要な方もいらっしゃいます。
- ・他院での再発鼠径ヘルニアの場合(幼少期の再発であれば問題ありません)
- ・高度肥満の場合(体重100kg以上、BMI35以上などが目安)
- ・完全に戻らない鼠径ヘルニアの場合
上記に当てはまる場合、医師の診察次第では日帰り手術が困難と判断する可能性があります。深い全身麻酔や術後管理が必要になりますので、安全に手術を受けていただくために入院での手術となります。
入院手術適応の方は九段坂病院などの関連病院にご紹介をしております。
この記事の監修者
医療法人社団オリビエ会
新宿外科クリニック
理事長 高島 格
1960年東京都生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業後、病院の外科で20年勤務し様々な手術を経験。
中でも得意としていた日帰り手術をより多くの人に受けてもらいたいと、2007年東京都新宿区に日帰り手術専門の新宿外科クリニックを開業する。
現在は、新宿外科クリニックと埼玉県さいたま市の大宮セントラルクリニックの2院を運営し、累計手術実績は下肢静脈瘤手術で約11000件以上、鼠径ヘルニアは8600件以上に及ぶ。
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