鼠径ヘルニア
鼠径部小切開法
鼠径部小切開法
鼠径ヘルニアの切開法手術の歴史は古く、遡ると紀元前から行われてきた今日のスタンダードとなる手術方法です。現代に至るまで、多くの医師がより良い手術となるよう研鑽を重ねてきました。最近の術式が確立されてからは100年ほど経過しています。
当院でも、可能な限り手術創(きず)を小さくし、手術後の回復が早くなるよう工夫しています。
開院当初よりずっと行ってきた術式である鼠径部小切開法には自信を持っています。
切開法には、筋膜の穴部分にメッシュを当てて塞ぐメッシュ修復術と、筋膜同士を縫い合わせて穴を塞ぐ従来法と2通りあります。当院ではどちらも行っています。(大人の鼠径ヘルニア手術であればメッシュ修復術が主流となります)
メッシュ修復術
メッシュ修復術は、筋膜が緩くなって穴が空いた部分に、メッシュと呼ばれるポリプロピレン等の素材でできたネット状のシートを当てて補強する手術方法です。
メッシュはさまざまな形状のものを採用しており、手術時に穴やその周囲を直接目で確認してから適したメッシュを選択して使用しています。
メッシュは人工物ですので手術後はずっと身体に残ることになります。今の素材のメッシュが使われるようになって60年近くになりますがこれまで大きな問題もなく経過しており、比較的安全な素材であると考えられています。
メッシュ修復術の懸念点は、メッシュ感染に気をつけなければならないということです。感染と言うのは菌がついて化膿してしまうことで、人体であれば抗生物質が有効ですが人工物に薬は効きません。
鼠径ヘルニアの手術は他の手術に比べて感染することは少ないですが、手術である以上感染の可能性は0ではありません。
当院でも感染には十分に留意して手術を行っており、メッシュ感染自体全国的に見ても非常に稀なことですが、万が一メッシュ感染を起こしてしまったら、再度手術をしてメッシュを取り除く必要があります。
当院ではこれまでメッシュ感染の症例はありません。
従来法
従来法はメッシュ修復術が導入される以前は主流の術式でしたが、メッシュ修復術と比較すると術後疼痛、違和感が長く続く傾向にあります。
そのため、当院では術後の影響が少ない傾向にある、鼠径ヘルニアの穴が小さい若年の患者さまの場合にのみ行っています。
手術創(きず)について
この記事の監修者
医療法人社団オリビエ会
新宿外科クリニック
理事長 高島 格
1960年東京都生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業後、病院の外科で20年勤務し様々な手術を経験。
中でも得意としていた日帰り手術をより多くの人に受けてもらいたいと、2007年東京都新宿区に日帰り手術専門の新宿外科クリニックを開業する。
現在は、新宿外科クリニックと埼玉県さいたま市の大宮セントラルクリニックの2院を運営し、累計手術実績は下肢静脈瘤手術で約11000件以上、鼠径ヘルニアは8600件以上に及ぶ。
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